チップの意味

NYでの旅行でただ一つ残念だったことがあります。最後の夜にダラスでは食べることのできない本物の日本のラーメンが食べたいというラーメン好き息子のリクエストで「めんちゃんこ亭45丁目店」という博多ラーメンの店に行きました。

私は元祖めんちゃんこを注文しましたが、食べているそばで大声でペチャクチャ話す3人の男性店員達とゴミの入ったビニール袋を持って何度も店内を往復する裏方、さらには本当に醤油の味しかしない不味いちゃんこラーメンに苛立ちも頂点に達し、チップを少額しか払いませんでした。すると日本人らしき店員が「チップは20%以上必要だからこれでは足りない。」と文句を付けてきました。写真のある鬼のキャラクターの形相以上に「何をほざいているんだ?」とアメリカに来てからさらに短気に磨きがかかった私は噛みつきたい思いでしたが、小さい子供達の手前、たった1ドルを付け足して店を出ました。

アメリカに1年滞在しましたが、初めての経験です。そもそもチップとは、サービスへの対価であり、面白かったり、楽しくさせてくれたり、美味しかったり、感動させてくれたことへの心からの謝礼です。大学での授業で学生達にCustomer Relationship Management(CRM:顧客関係管理)を教えていました。これは顧客満足のために店側がお客さんとよりよい関係を築くためにはどうしたよいかを考えるための概念です。

この概念が生まれたアメリカの地でCRMの大切さを自ら実感できたことは貴重かもしれません。後味は悪いですが、これも社会勉強と受け止め大学の学生達に話すいい土産話が出来たと納得しました。チップはサービスの対価であり、お客が決めることであることを再勉強しましょう。