サービスの質
アメリカはサービス産業が経済を支えている国ですが、そのサービスの質はすこぶる劣悪です。アメリカン航空で帰国便のチケットを変更してもらったときも、Grande Communicationsでインターネット回線の不通を訴えたときも、Firestoneで車の修理をお願いしたときも、郵便物が期日に来ないときなどなど、処理にかかる時間もかなり長く、担当者がのんびりと仕事をしていることがあからさまなのです。
キリスト教を信仰する人が多いのに、顧客へのホスピタリティの精神が欠如しています。チップを渡せば手のひらを返したように態度が急変しますが、彼らにとって日本のようにサービスは癒しではなく、業務ですから仕方がないことかもしれません。ところでマクドナルドは全世界でまったく同じハンバーガーが作れるよう、分厚いマニュアルが整備されていることで有名ですが、接客マナーについてはマニュアルが無いか、またはキチンと教育されていないかもしれません。テキサスはメキシコ人が多く、ファーストフード店の従業員は店長以外すべてメキシコ人です。わたしの英語が下手だったのか、一度ものすごい形相で「Ha~?!」とヤンキーねえちゃんに半分顔を釣り上げて聞き返されたことがありました。
このような接客マナーはアメリカ広しと言えども南部だけかもしれません。私は過剰サービスの国として世界で有名な日本で育ちましたからその差が際立って感じるのかもしれません。日本のようにスマイル0円などというメニューがあったら見てみたいもので、そんな注文をしたら「バカにしているのか?」と逆に撃たれそうです。周囲にも同じ経験をされた方がいて、マックのマニュアルは商品そのものを標準化するためのものだということがわかりました。